皆さんこんにちは。KANAUcoffeeです。
コーヒー豆を買いに行くと見かける、「ナチュラル」とか「ウォッシュト」ってなに?
そもそもコーヒー豆っていうのは、コーヒーチェリーという果実からとりだした種のことなの。
「ナチュラル」とか「ウォッシュト」っていうのは、コーヒー豆を取り出す方法の事だよ。
コーヒー豆を取り出す方法はいくつかあるんだけど、その取り出し方の違いでコーヒーの味わいにも違いがでるんだよ。
今日は、コーヒー豆の取り出し方についてお話していきますね。
コーヒーチェリー
まずは、コーヒーチェリーを細かく見てみましょう。
外側から、外皮→パルプ(果肉)→固めの皮のパーチメント(内果皮)→薄い皮のシルバースキン(銀皮)がついた種となります。
この種がコーヒー豆なんだね~。
果実からパーチメントにするまでを「ウェットミル」
パーチメントから生豆にするまでを「ドライミル」といいます。
まずは前半の「ウェットミル」からみていきましょう。
ウェットミル
コーヒー豆の周りについているものをどうやって取り除いていくのでしょうか?
「ウェットミル」は大きくふたつの方法に分かれます。
- 湿式(ウェット)
- 乾式(ドライ)
取り出し方をさらに細かく分けると、
湿式(ウェット)
・水洗式(ウォッシュト)
・半水洗式(セミウォッシュト、パルプドナチュラル、ハニープロセス)
・スマトラ式
乾式(ドライ)
・ナチュラル
に分けられます。
これら4つの方法について詳しく見ていきましょう~。
水洗式(ウォッシュト)
この方法は、未熟な実や余計なものを取り除いてクリーンなコーヒーを作るのに適している方法です。
①チェリーを水槽に入れて、余計なものを取り除く。
②チェリーをパルピングマシン(果肉除去機)にかける。
この時まぎれ込んだ未熟な実も選別されます。
③パーチメントには、ミューシレージとよばれる糖分を含んだ果肉の残り(ぬるぬる)が付いており、このミューシレージをとるために、水路で発酵槽に送られます。
④発酵槽で、微生物によってミューシレージが分解されます。これには10~40時間程かかります。
⑤さらに人の手によって表面についたミューシレージを水路で洗い流します。
⑥天日や乾燥機をつかってパーチメントを乾燥させます。
半水洗式(セミウォッシュト、パルプドナチュラル、ハニープロセス)
ウォッシュトで行う発酵槽での工程を行わずにミューシレージを取り除く精製方法です。
これには、専用の機械(パルピングマシン)が必要になります。
①チェリーを水槽に入れて、余計なものを取り除く。
②チェリーを専用のパルピングマシンに入れる。
(マシンの中にある突起でミューシレージを取り除く)
③きれいになったパーチメントを、専用の機械で乾燥させる。
※ハニープロセスは、ミューシレージをある程度つけたまま乾燥させる方法です。
ミューシレージを取り除く割合によって味が変わります。
糖分が残ることになるので、放っておくと腐敗してしまったりするので手でかき混ぜたりします。
このためウォッシュトより多くの手間と工程が必要な分、ユニークな風味を持ち、甘い仕上がりになります。
ブラックハニー:ミューシレージの割合80~90%、糖度26度以上
レッドハニー:ミューシレージの割合60~80%、糖度24~26度
イエローハニー:ミューシレージの割合40~60%、糖度22~24度
フリウォッシュト:ミューシレージを完全に洗い流したもの
スマトラ式
インドネシアのスマトラで行っている方法で、この方法で精製された生豆は、特徴的な青緑色になり、酸味が弱まった味になります。
①チェリーを手回しのパルピングマシンでパーチメントにする
②パーチメントを袋や籠に入れて発酵させる
③パーチメントを水槽に入れて洗う
④水分含有量40~50%まで乾燥させる
⑤脱穀して生豆にする
⑥生豆を干して、最終的に水分含有量10~12%にする
乾式(ナチュラル)
ブラジル、イエメン、エチオピアで行われている伝統的な方法で、この方法は収穫期が乾季で雨の心配がない地域に向いています。
①収穫したチェリーをそのまま天日で乾燥させる。
②手作業で乾燥した果肉とパーチメントに分ける
管理が行き届いていない農園では、未熟豆や枝などが混入してしまい、クオリティの低いコーヒーになってしまう反面、よく管理された農園では、ユニークな香りや味の素晴らしいコーヒーになります。
ここまでが前半の「ウェットミル」の話でした~。
いやあ、難しいですね!
では、次に後半の「ドライミル」についてみていきましょう!
ドライミル
パーチメントから生豆にするまでを、「ドライミル」と呼びます。
レスティング
天日やボイラーなどで乾燥した後、湿気の少ない保管庫で約2カ月休ませます。
水分量が均等になることで味や香りがおちつくみたいです。
脱穀
パーチメント(内果皮)を外して生豆完成!
完成した生豆はこの後、豆の大きさで選別(グレード分け)され、さらにハンドピック(味や香りを損なう不備豆を人の手で取り除く作業)を経て袋に入り輸送されます。
色々な精製方法があって、それぞれコーヒーの味も変わってくるって事が分かったね。
生産地が同じでも、精製方法が違えば味も違うんだ。
これからコーヒー豆を買うときは、精製方法も注意して見てみよう。
精製法の違うコーヒーを飲み比べてみるのも面白そうだね。
これを知っていると、手元にあるコーヒーがどんな旅をしてきたのか想像できて楽しくなってくるね!
まとめ
コーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す工程の違いで、味わいに違いが出る事がわかりました。
1水洗式(ウォッシュト)
チェリーを水槽に入れて、余計なものを取り除いた後、発酵槽で微生物によってミューシレージを分解する方法です。クリーンなコーヒーを作るのに適しています。
2半水洗式(セミウォッシュト、パルプドナチュラル、ハニープロセス)
ウォッシュトで行う発酵槽での工程を行わずにミューシレージを取り除く精製方法です。
ウォッシュトより多くの手間と工程が必要な分、ユニークな風味のコーヒーになります。
3スマトラ式
インドネシアのスマトラで行っている方法です。
スマトラ式で精製された生豆は、特徴的な青緑色になり、酸味が弱まった味になります。
4乾式(ナチュラル)
ブラジル、イエメン、エチオピアなど、収穫期に雨の心配がない地域で行われている伝統的な方法です。
よく管理された農園では、ユニークな香りや味の素晴らしいコーヒーになります。
コーヒー豆を買うときに、今日紹介した精製法も是非チェックしてみて下さいね。
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